既に2月ですが写真は去年のものです。と言ってもこれがこの年最後の撮影になりました。久しぶりに丸一日オフになったので、偶には気合を入れますかと朝から沿線にお邪魔してみることにしました。
里見駅始発列車の送込み回送を上総川間駅で待ち伏せして1枚。夜明け前の星空を期待したのですが、この日は生憎の曇り空でした。普段の営業列車とは違って車内が暗い回送列車の雰囲気がよく出ているかなと思います。完全に真っ暗なわけではなく非常灯がほんのり室内を照らし、駅の明かりが列車の屋根を照らしているので列車全体のイメージも掴みやすい絵になりました。そして力強く前方を照らし出す灯りが踏切を捉えていますね。まさに朝一番の力強さを感じるといったところでしょうか。
この後列車は里見駅で始発列車となって上総久保駅に到着しました。周りは少しずつ明るさを取り戻していますが、まだまだ薄暗い駅周辺に列車の灯りを溢しています。車内はきっと暖かいのでしょうね。日の出前の一番寒い時間帯、カメラを握る手を振るわせて車内の快適な座席の上でうたた寝をする夢を見ています。ディーゼルエンジンのアイドリングする音を聞きながら暖房の効いた車内でうつらうつらする時間は至高の時間です。あ、しまった自分は今朝の田んぼの脇で凍えながら列車を見ているのだった。
その後、何本か撮ってみるもののなかなかこれという写真が撮れず、流れ流れて上総大久保駅へやってまいりました。寒い朝は背後の山の木々が凍って白くなるのを期待するのですが、この日はそこまで寒いというわけではなかったようで普通の冬枯れな山の表情を見せています。落葉樹と常緑樹が混ざり合った、いわゆる雑木林ですね。房総半島にありがちなごく普通の風景ですが、そこに列車が添えられるだけで、ちゃんと絵になってしまうのが不思議です。そしてやってきたのは先ほどの里見駅始発列車が五井駅で折り返してきたキハ40の2両編成でした。
最後に養老渓谷で折り返してきた列車を月崎駅で。手前の枯れ草がぽよぽよしているのがアレですが、こちらも冬の寒々しい木々を背景に排煙を立ち上げながら加速していく列車がカッコ良いです。ホームにはイルミネーションの仕掛けが残ってますね。毎年好評で、クォードの森も合わせて沢山の方が観に来てくれたようです。左側に見えるピンクの柵の中には菜の花が植えられてました。春には一面に黄色い花が咲いていることでしょう。
ということでこの年の撮影はおしまいです。お疲れ様でした。