前回、里見駅に到着していたキハ40が、試運転列車として運転されました。とは言ってもキハ40の為の試運転ではなく、養老渓谷駅と上総中野駅の復旧の為の試運転ということですので、実際にキハ40が営業運転に就くのはまだ先の話な気がします。ということで今回は、その試運転列車を追いかけてみることにしました。
この日は朝霧が出ていて幻想的な風景が繰り広げられていたので、そんな絵を撮りたいなと考えながら車を走らせて、あまり深く考えずに石神地区へやって来ました。遠景の稜線が霧のベールに包まれて少しは想定通りの絵が撮れそうです。…が、待てど暮らせど列車が来ません。おかしいなと思っていたところでキハ40のタイフォンが聞こえました。どうやら落葉で滑って空転しながらなんとかやって来たようです。撮る側としては楽しい風景でも運転する側は厳しい状況なんですね。
空転で苦しんでいる運転士さんには悪いのですが、気持ちよく撮れたので気分をよくしてもう一枚。霧が出ているのと陽が入らないので露出が出ないですね。その代わりヘッドライトや方向幕の灯りが見えて良い感じになりました。列車も霧の前に出て来たのでクッキリ撮れてます。いやぁ、すごい。千葉の山奥にJRのそれも郡山の車が分入って来たわけです。感動というか、感慨深いというか。担当者さんはさぞ大変だったろうなと想像できます。後もう少し。がんばれ。
列車が養老渓谷駅に停車している間に上総中野駅へ先回りです。スタンバイが終わって程なくするとあの独特のタイフォンが聞こえ、踏切が鳴動し始めました。奥のカーブから白と緑の車体が顔を出して坂道を下って来たところでパチリ。朝霧で濡れたレールにキハ40のヘッドライトが反射します。何度も撮ったこのアングルにキハ200以外の車が入ってくるなんて想像したでしょうか。いや、キハ200もいずれは代替される日が来るでしょうから、想像できなかったということはないし、まさにこの車がその代替車両ですからね。時の流れを感じざるを得ません。
実はこの日は里見駅のお店番の日でもあったりします。なのでこのキハ40の追っかけはお店番を抜け出しての撮影だったりします。なのであんまりのんびりもしてれられず、一旦お店に戻るのですが、その道すがらやって来た試運転列車をパチリ。今度はキハ200側を先頭に。というか、幌の間にヘッドマークステーがついているということは、この車、キハ202ですよね。この前さよなら運転したはずなのに、しれっと動いてますね。まぁ、営業運転は最後ってことなんでしょうか。そして背景にはまだ秋色が残ってますね。里見駅周辺はもう冬の様相ですが、峠を越えたこちら側はもう少し楽しめそうな雰囲気です。
試運転列車はその後、何回か養老渓谷駅と上総中野駅を往復して安全を確認していましたが、この日はいすみ鉄道さんの急行列車が運転される日でした。運が良ければこの列車との並びをみることが出来るんじゃないかと淡い期待をしていましたが、なんと、実現しました。会社は違いますが同じJRの車、更に言えば同じ国鉄の車が千葉の山奥で並んでいます。改めて写真を見るとキハ40にもヘッドマークがついてます。これは以前にも付けていた北神急行さんのヘッドマークですね。災害に負けないという小湊鉄道さんの強い意志が垣間見れます。
ということで長くなりそうなので一旦締め。キハ40の試運転列車はまだ動きそうですが、この日の追いかけはとりあえずお終い。翌日も追いかける予定ですが、次回は各駅のイルミネーションを回ってみようと思います。